大学生になると自由に使える時間が増えるので、大学の勉強以外の時間をできる限りスキルアップに費やしたいという方も多いことでしょう。
特に、3年生以降の就職活動に力を入れたい学生にとって、大学生の間にとっておきたい資格としてよく知られているのが「宅建(宅地建物取引士)」です。不動産を扱い、法律や税制度などを勉強しないと取得できないことから、社会人としての社会通念や経済の動きなどにも強くなり、就職活動にも有利に働くともいわれています。
今回は、「宅建(宅地建物取引士)」の資格の概要や難度、資格取得のメリットや、大学生におすすめの勉強法について解説します。
「宅建(宅地建物取引士)」とは?
「宅地建物取引士」通称「宅建」は、不動産取引を担当するプロフェッショナルといわれる職業です。具体的には、土地・建物をはじめとする不動産の売買や、賃貸物件の取り扱い・斡旋といった仕事を専門的に行う人を「宅建」「宅建士」などと呼びます。
「宅建」は国家資格を取らないとなれない専門職であり、不動産の売買などを求めるお客さんに対し詳しい説明を行い、望み通りの不動産を提供するために奔走するやりがいのある仕事です。
「宅建(宅地建物取引士)」の資格とは? 大学生にも取れる?
「宅地建物取引士」通称「宅建」は、不動産取引の専門家をあらわす資格で、わかりやすくいえば不動産屋さんなど不動産を取り扱う仕事に就くために必須の資格となります。
国家資格としては国内最大規模を誇るほどの人気資格であり、毎年20万人前後の受験者がいるといわれています。
主な受験者は不動産業界に既に所属している社会人や、証券・銀行等の関連業界に勤めている社会人が多いです。しかし、受験資格の制限はないので、大学生でも受験できます。むしろ、不動産業界を志望する学生も沢山受験しますし、関連業界志望者でなくとも、社会勉強のために受験する学生もいます。
「宅建(宅地建物取引士)」の受験日・難度・合格率
先ほども触れた通り、受験者数はおおむね毎年20万人前後いて、そのうち合格者数は毎年3万人~4万人、合格率はここ10年の平均が約15~18%と、国家資格試験としても比較的難関な試験に分類されます。
試験日は例年10月中旬、合格発表は12月の年1回が原則ですが、昨年度(令和2年度)の試験は、新型コロナウイルスの影響で例年通りの会場借り上げが難しく、受験可能人員も大幅に制限されて実施されたため、特例として10月と12月の2回試験が実施されました。そして今年度(令和3年度)も10月の受験可能人数を申込者数が上回った場合、同様に年2回の試験となる予定です。ちなみに令和2年度の合格率は10月試験が17.6%、12月試験が13.1%でした。
どのみち、宅建の資格試験は秋以降となるため、もし仮に就職活動を有利にするために宅建を取得したい場合には、就活に間に合うよう3年生までに資格取得をしておくことが必要になります。
「宅建(宅地建物取引士)」を大学生が取るメリットはある?
宅建は不動産業界にかかわるために必須の国家資格である以上、不動産業界を目指すならなるべく大学生のうちに取得しておくことが理想です。実際に不動産会社の採用担当は宅建の資格取得者を優先して採用している、という話があるくらいです。
しかし、不動産業界を志望する学生以外でも、大学生のうちに宅建の資格を取るメリットはいくつかあります。
1.様々な業界の就活に有利になる
宅建の資格を取得するには、不動産の取り扱いに特化したものではなく、関連法規など様々な知識の習得が必要です。そのため、不動産業界への就活において有利になるのはもちろん、持ち家のローンに際して抵当権を扱う金融業界・保険業界、不動産投資を扱う証券業界・融資を行う銀行といった別の業界でも、宅建の資格取得によって専門知識があるとアピールできればある程度は有利になります。
2.実社会で役立つ法律の知識が身につく
宅建の資格試験には、法律が関わってくる「契約」に関する知識を豊富に身に着けられるので、実社会における特にビジネス上のやり取りに関して宅建の知識を持っておけば取引に関しても比較的優位に立てます。民法をはじめ関連法律・法令について、また税法その他についても学べるので、包括的な法知識全般が身に付きますから、様々な業界で重宝されますし、より賢く社会を渡っていけるでしょう。
3.比較的短時間で取得できる資格なので大学生でも取りやすい
宅建の資格取得に必要な勉強時間は300時間~400時間くらいが一般的です。
行政書士や司法書士、弁護士など他の法的な国家資格に比べると2分の1~10分の1という短い勉強時間で合格を目指すことが可能です。時間に余裕がある学生でも社会人でも合格率は15%程度とあまり変わらないので、どうせなら学生のうちに取ってしまったほうがいいでしょう。
「宅建(宅地建物取引士)」大学生におすすめの勉強法
宅建の資格取得に向けた勉強法は色々あります。たとえば、宅建の資格取得に特化した予備校に通うとか、独学で勉強するとか。しかし、お金のない学生には予備校の学費は正直痛いので、学生のうちに取るなら独学をおすすめします。
そして、色々な記事を参照してみてもやはり勉強時間は300時間前後が平均値で、期間にすると4か月~5か月くらいが妥当です。時間が比較的あると言っても暇ではない学生が独学で宅建の勉強する際には、厳格に守るのはざっくりした学習期間だけにして、それ以外のペースに関してはあまり厳しい基準を設けないことをおすすめします。
総勉強時間を期間で割るとおよそ毎日2時間になりますが、日ごとに予定がバラバラな学生には「毎日必ず2時間勉強する」というのも大変なことです。できなかったぶん、さぼった分はあとでカバーするくらいの方が続きます。期間だけを守るというのは、モチベーションが続かない、予定的にきつい、二日酔いで頭が働かない、そうした時に休む余地を与えられるというのもあります。
「宅建(宅地建物取引士)」取得学生の進路は?
一般的には、やはり宅建の資格取得学生の進路で多いのは「不動産業界」です。特に不動産業界では宅建士による独占業務もあるので、従業員(社員)のうち5人に1人は宅建士でなければならないという取り決めがあります。毎年一定の需要がある不動産業界に宅建資格取得者が進むのは当然といえるでしょう。
またそれ以外にも、先ほども話題に出した通り金融業界・保険業界、不動産担保ローンなど不動産を融資の担保にすることも多く企業自体が不動産を多く所有する銀行や証券業界といったところでも、宅建の知識は役に立ちます。
ちなみに、宅建士の資格を最終的に登録して「宅建士証」を得てはじめて宅建士としての仕事が可能になる点に注意が必要です。試験合格後、2年以上の実務経験あるいは登録実務講習を修了しないと資格登録ができないので注意。
しかし、宅建試験に一度合格すれば一生涯有効のままなので、余裕がある時に講習を受ければそれでOKです。
まとめ
以上、大学生のうちに取っておきたい「宅建」の資格について、概要や詳細、難度や合格率、取得のメリット、おすすめの勉強法から取得後の学生の進路についてまで解説しました。
宅建の資格は不動産業界以外であれば必ずしも取得する必要はありませんが、実践的な法知識を取得できる、不動産など大きな資産を扱える知識を得られるというのはそれだけで社会生活を有利にできることは間違いありません。
少なくとも金融・証券・保険業界を目指すのであれば、法律関連の資格の中では比較的短期間で取得が可能な宅建の資格を取っておいて損はないでしょう。
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