大学では、「ゼミ」という、高校までにはなかった活動があると聞いたけれど、どういうものなのかわからなくて不安…そんな方は多いのではないでしょうか?
「ゼミ」への所属時期は大学によって異なり、卒論を意識し始める3年次から所属する場合や、がっつり1年から所属する場合がありますが、中には全くゼミに所属しないまま大学生活を終える人もいます。
今回は、大学における「ゼミ」とは何なのか、どういった特徴があるのかを解説します。
大学の「ゼミ」とは?とは?
大学における「ゼミ(ゼミナール)」とは、ざっくり言うと「学生と指導教員(教授・講師ら)が一緒になって研究活動をする」授業のことです。
ゼミは授業としての位置づけにはなっていますが、実質的には専門的に学びたい分野の「研究室」に所属し、通常授業が終わったあとの時間帯に、研究室の活動として定期的に集まる形で行われます。
4年制大学(学士課程)の多くは「卒業研究」が課せられ、その成果として卒業論文を提出しなければなりません。
そのため、ゼミは一般的には、学生が最終的に取り組むことになる卒業研究を見据えた活動、ということになります。
大学の「ゼミ」は少人数で行われる
ゼミは、一般的には10人~20人という少人数で行われます。ゼミは通常授業とは違い、学生ごとの専門分野に特化した研究や調査活動を主体とするためです。
先程も説明した通りゼミは研究室と密接に関係した「所属」制をとるので、特に東京大学や早稲田大学など学生の人数が多い大学では、特定のゼミに人が集中することもしばしば。
その場合、成績上位者から順番に所属内定になったり、抽選になったりして、自分の志望するゼミに所属できないなんてことも大いにありえます。
大学の「ゼミ」は主体性が大事!
一般的には大学の授業は「講義」といって、高校までの授業と同様、教員の説明を聞きながら必要に応じ板書をノートに書き写すといった受動的なスタイルがメインです。
それに対してゼミは、学生が主体となって個人またはグループで研究テーマを決め、そのテーマの仮説を立てて調査を行い、結論を見出すという主体的・行動的なスタイルです。
得られた結論は定期的にレポート・プレゼンテーション・論文などの形でゼミ所属の教員や学生の前で発表し、適宜学生や院生からの質疑応答に対応したり、ディベートや討論を行ったり、指導教員からのアドバイスを受けたりします。
大学の「ゼミ」に所属するには?
大学のゼミに所属するにはまず、一般的には大学側から書類が配布され、その書類に希望のゼミの名前を書いて提出します。
学科ごとの人数が少ない大学であれば、余程のことがない限り希望がそのまま通りますが、先程も説明した通り、学生の人数が多いマンモス大学では、必ずしも希望がそのまま通るとは限りません。
人気のゼミには申し込みが集中するので、ゼミによっては「入室試験」を実施する場合もあります。試験と言っても多くの場合は面接・面談で、場合によっては志望理由書などを提出して「なぜこの研究室に入りたいのか」という熱意をアピールしないといけません。
その他にも「ゼミで何をしたいのか」「なぜこの研究がしたいのか」といったことも含めて答えられればベストです。
大学の「ゼミ」に所属するメリットとは?
大学のゼミに所属することが強制される大学もありますが、中にはゼミに所属しないまま卒業できる大学もあります。しかし、大学のゼミに所属することは、社会人になっても役に立つ色々なメリットがあります。
まずは、「プレゼンテーション能力」が身につくこと。ゼミでは、定期的に研究テーマを決め、人に自分の研究テーマの意義や得られた結論をプレゼンテーション形式で発表しますし、先輩の発表も聴けるので、上手なプレゼン手法を学ぶことが出来ます。人気ゼミの場合は入室試験を通して、研究室所属に際し自分をプレゼンテーションすることも求められますから、まさに自己を分析してPRする就活にも役に立ちます。
また、テーマから仮説を導き、調査や実験から考察材料を集め、論理的に仮説を証明していくという、発表までの過程も重要です。こうしたプロセスの繰り返しによって、「論理的思考力」も鍛えられます。
そして、院生やOBOG、指導教員など年の離れた大人との討論や交流も行うので、相手の年齢を問わない安定したコミュニケーション能力やディベート能力も身につきます。
「ゼミ」所属後はどのようにステップアップする?
先程も説明した通り、大学のゼミの最終的なゴールは「卒業研究」であり「卒業論文」です。
ゼミの中には、学科と密接に結びついているところもあり、そうしたゼミでは正式に所属する前から実質所属内定のような感じで、1年次から定期的にゼミに顔を出すよう求められることもあります。
1年次からゼミに参加することが一般的な大学では、1年次にはまず学生に基礎知識や研究テーマの探し方を覚えてもらいます。そして徐々に簡単なレポートや発表・討論といったことから「主体的に学ぶ」姿勢を身につけていきます。
2年次からは専門の文献調査や聞き取り調査などより実践的な活動を通し、専門分野に横たわる課題を見出していきます。
3年次からは多くの大学でゼミへの正式所属となり、活動が本格化します。これまでよりも多い頻度で発表を行い、指導教員とも話し合いながら、自分の卒論テーマにつながる課題を絞り込んでいくことになります。
4年次には、それまでの発表から得られた知見をベースに研究テーマを発展させ、卒業論文(卒業制作)という明確な成果に仕上げていきます。遅くとも4年次後半には論文を書き始め、教授の指導を受けながらひたすらブラッシュアップしていくことを繰り返し、卒論発表会に向けて準備を進めます。
今回は大学の「ゼミ」とは何か?について解説しました。
ゼミは通常授業以外の時間帯、主に放課後や休日に行われることが多いので、特にアルバイトをしている学生だと、ゼミに所属することでスケジュール調整が難しくなることもあります。しかし、大学においては高校までにはなかった「ゼミ」での専門分野の研鑽こそが教育の根底にあるといってもいいくらい、重要な存在です。
大学生活において頑張ったこととして就活でゼミ活動をアピールすることもできますし、何より記事で紹介した色々な能力が向上します。所属が必須である場合はもちろん、そうでない場合にも、なるべくゼミには所属しておきましょう。
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