みなさんはもみじ狩りに行くことはありますか?
秋は観光シーズンで、京都には国内外からたくさんの観光客が訪れますよね。
京都には紅葉の名所がたくさんありますが、どこも混雑していてゆっくり紅葉を楽しめない……なんてこともあると思います。
近年ではあまりの混雑ぶりに拝観が禁止になったり、写真撮影ができなくなっている場所もあるほど。
せっかくもみじを眺めたくても、ゆっくり楽しめなければつまらないですよね。
日本人たるもの、心を落ち着かせてもみじを愛でたいもの。
今回は比較的ゆっくりもみじを楽しめるお寺・光明院をご紹介します。
東福寺の塔頭・光明院
光明院は東福寺の塔頭寺院。
東福寺といえば京都を代表するとっても有名な紅葉の名所ですよね。
しかし、あまりにも有名すぎて秋には大混雑、近年ではせっかく境内に入っても写真撮影が禁止されていることも……。
そんな東福寺からすぐのところにあるのが光明院。
東福寺と比べると人が少なく、落ち着いて紅葉を鑑賞することができます。
光明院は1391年、第70世住持・金山明昶(きんざんめいしょう)が創建し、摩利支尊天(まりしそんてん)が祀られている寺院。
明治元年の神仏分離令の後に起こった廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の被害にあって一時期廃れたそうですが、明治44年に再興されました。
光明院の魅力は紅葉だけでなく、そのお庭。
波紋のような白砂と深緑の苔が混じり合うその庭園は「波心の庭」と呼ばれています。
『雲ハ嶺上ニ生ズルコトナク、月ハ波心ニ落ツルコト有リ』という禅の言葉に由来しており、背後のサツキやツツジの刈り込みは雲紋を表しているんです。
春にはサツキやツツジが美しく咲き誇り、また違った美しさを見せてくれます。
光明院は『苔の虹寺』とも称されているほど、お庭が有名なお寺なんです。
その上にあるのは、茶亭『蘿月庵(らげつあん)』。
蘿月庵は窓、壁、障子を含めて月を象徴していて、東の空に月が昇る姿を楽しむというしかけになっているんです。
どこまでも考えて作り込まれたお庭ですね!
こちらのお庭を手がけたのが、昭和の名作庭家・重森三玲(しげもりみれい)。
中央の仏様に見立てた三つの石(三尊石)から放射状に放たれた光の先に石を据えた設計になっています。
紅葉の美しさに目が行きがちですが、お庭もとっても美しく、眺めているとどこかほっとしますよね。
お庭を眺めながらおいしいお抹茶とお茶菓子をいただくこともできます。
せわしなくもみじを眺めるよりも、こうしてゆっくりと抹茶を飲みながらお庭を眺めるのがいいですね。
(※現在お茶菓子の提供が行われているかどうかは、お寺の情報をチェックしてくださいね)
いかがでしたか?
京都の紅葉はとっても素敵で、いつまでも眺めていたくなりますね。
光明院に行けばゆっくりとお庭を鑑賞することができますよ。
京都でもみじ狩りをしたいと考えている人は、ぜひ光明院に行ってみてください