「ジムに通っているのになかなか痩せない……」
「食べる量を減らしたのに逆に体重が増えてしまった……」
そんなお悩みを抱えていませんか？

運動や食事制限をしていても効果がないと、なんだか落ち込んでしまいますよね。
それが強いストレスとなって過食してしまったら元も子もありません。

努力をしているのに痩せない原因は一体何なのでしょうか？
もしかしたら、その努力の方向が間違っている可能性があるかも……。

今回も京都・烏丸にある西村ボディメイキングスタジオのトレーナー・西村光晶さんにお話をうかがいました！

「運動をしても痩せない」「食べる量を減らしても痩せない」のはなぜ？

「まず、多くの人が持っている『食べる量を減らせば痩せる』という考えが間違っているんです。
『基礎代謝』という言葉を聞いたことがありますか？『基礎代謝』とは、『何も運動をしなくても消費されるカロリー』と思いがちですが、実はそうではなく、『生命を維持するのに必要な最低限の摂取カロリー』のことなんです。
必要最低限のカロリーを下回った場合、大抵の人は脂肪が減ると勘違いしているんですが、実は落ちるのは筋肉で、脂肪は残ったままなんですね。
筋肉が減ることによって基礎代謝が落ち、体が省エネモードになって、ますます痩せにくい体になってしまうんです」

なぜ食事の量を減らすと筋肉は減り、脂肪は残ったままなんですか？

「それには『三大栄養素』が深く関係しているんです。
三大栄養素とは、
・タンパク質
・脂質
・糖質
の３つ。
基本的に、普段消費されている「カロリー」とはこの三大栄養素のことを言うんです。ちなみにビタミンとかミネラルはあくまで補助的存在で、カロリーというのは持っていません。

そして、三大栄養素が１ｇあたりに持つエネルギーはそれぞれ違うんです。
たとえば、タンパク質、糖質それぞれ１ｇあたりに４キロカロリー。
そして脂質は９キロカロリーを持っているんです。
すなわち、脂質は他の２つに比べて倍以上のエネルギーを持っているので、生命維持のためにも、脂質を最後まで体に残しておくんです。
そういうわけで、食べる量を減らすと筋肉が先に落ち、脂肪は最後まで残ってしまう……ということになるんです」

「ダイエットをしているからサラダだけ食べる」という女性もいますよね。

「そうですね。でもそんな女性に多いのが『汗はかくのに体は冷たい』『基礎代謝が低い』『生理不順がある』というような体の不調。
それは、野菜ばかり食べていることが原因となっている場合が多いんです。
もちろん野菜も大切ですが、三大栄養素が含まれていないので、自分のエネルギー源とはなりません。
よくテレビで『〇〇ダイエット』『糖質制限ダイエット』というような文言を見ますが、あれは万人にあてはまるわけではありません。
『ダイエット』＝『食事制限』と思いがちですが、まずは自分の食生活を見直し、三大栄養素のバランスを考えることが必要です」

ダイエットにおすすめの食材は？

「やはりタンパク質をたくさん取ることが大事ですから、1番おすすめは生肉ですね。
ただ、生肉を食べる機会はあまりないと思うので、赤身の肉を意識して食べるようにしてください。

ちなみに、よく鶏肉は『高タンパク低カロリー』って言いますよね。
もちろん鶏肉も体にいいんですが、もも肉のように皮がついているものは、皮自体には脂肪しかないのであまりおすすめしません。

肉の中で1番おすすめは牛肉。
なぜなら牛肉は、内臓で消化する時の代謝がすごく大きいからなんです。
人間の代謝の中で、内臓が消化する代謝の割合ってものすごく大きいんですね。つまり、どれだけ内臓を動かすかで痩せる・痩せないが決まると言っても過言ではないんです。
また、赤身の肉は脂肪工場に脂肪細胞を運んでくれる量を増やすカルニチンという成分を持っています。
固い赤身の肉は消化している時に内臓で燃える、かつ体内で吸収された時に脂肪を燃やす量を増やすので、とてもおすすめです」

「ダイエット」＝「食事制限」というイメージですが、１番大切なのは栄養バランスということですね！
もしあなたが「頑張っているのに痩せない」と感じたら、それは栄養不足のせいかも？
これを機に、自分の食生活をしっかり見直してみましょう！

西村さん、ありがとうございました！

プロフィール
西村 光晶
パーソナルトレーナー/ストレッチトレーナー
トップアスリート指導の経験を生かし、プロを目指すアスリートや五輪候補選手を指導。
また、シニア世代のリハビリトレーニングも指導し、健康を取り戻したいという思いを実現している。